狭い空間を広く見せるには、視覚効果を利用する必要があります。
その1つが視線を遮らない、つまり視線の「抜け」を作ることです。
住宅密集地かつ狭小地でありながら圧迫感の無い伸びやかな環境形成に向けて
あえて建築面積を小さくし敷地に余白をつくり、視線の「抜け」の空間を提供しました。
また建物を隣地に近接せず配置することで、近隣との距離を均等に確保し、
さらに周辺を植樹することで、必要なプライバシーの確保と季節の趣が
内からも外からも得られる空間を実現しました。
室内もワンフロアで生活の主要な行動すべてがまかなえる動線や機能面をもちながら、
外へ、空へ向かう視線の「抜け」を確保し、開放的で清々しい空間を実現しました。
仕立てた被服のようにフィットした「小さく住まう家」は、住人の心と暮らしを豊かにします。